くりそつ広告の巻
どんなものにも似ているものはある。自分とそっくりな人間が地球に三人はいるともいわれているし、音楽業界ではよく訴訟問題が起きている。最近ニュースになった絵画の事件も記憶に新しい。
で、広告業界も常にそんな話が付きまとう。アイデアが似ていたり、コンセプトが似ていたり、コピーが似ていたり、あるいはビジュアルが似ていることは良くあるが、このいずれかのうち、二つ以上が似ているとやっぱり疑いたくなる。
当然そんなことがあってはいけないので通常は広告代理店で事前チェックをするシステムがある。特に年鑑に載っていたり、賞を受賞しているような作品に似ていたりすれば信用問題になってしまうからである。人の作品を盗んで喜ぶクリエイターなどいるはずがないと信じたい。でも、似ているものは似ているのである。
下記の3つの自動車のプリント広告を見ていただきたい。これは単なる偶然なのでしょうか。あなたはどう思いますか?
【メルセデス・ベンツ Eクラス、1997年、ワン・ショー、プリント部門ファイナリスト、国:アメリカ】
【アウディ クアトロ、2002年、ニューヨーク・アド・フェスティバル、ファイナリスト、国:イタリア】
【トヨタ ランドクルーザー、2006年、国:ポーランド】
こういう類の広告ばかりを集めているサイトがある。Joe La Pompe 。フランス語だけど、見れば一見して何が似ているかが分かるものばかりである。今後、イメージ検索エンジンの精度が向上する中で、類似チェックの精度が確かなものとなっていくことに期待するばかりである。
ちなみに、つい最近、こんなブログが登場した。アド・マッシュアップ・ドットコム というこのサイトは、広告のパロディ集とでもいえるサイトである。現実にある広告のコピーを差し替えたり、ブランドロゴだけを差し替えたりしているのだが、一般からの応募で成り立たせようとしており、一応審査があるようである。
どんなに良いアイデアであっても、どんなにすばらしいコピーであっても、どんなに綺麗なビジュアルであっても、クリエイティブからあがってきた物に対して私たちが行なうチェック手法の一つとして、上記のようなことをしたりする。すなわちブランドロゴを差し替えてみるのだ。他のブランド、特に同じカテゴリーの競合ブランドであっても同じメッセージが使えてしまえるのなら、それは差別化が図れていない証拠。まっさきにボツになるのである。
そういう意味では、たまにこのパロディ集のサイトを見ることは、広告業界、マーケティング業界に携わる、あるいは目指している方々であれば、いい勉強になるかもしれない。
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